吉野家で、カレー。私はやっぱり牛丼がよいです。
今日はエマニュエル・トッドの『老人支配国家 日本の危機』について。
彼は、経済現象ではなく人口動態から人類史を捉えるフランスの人口統計学者。
「コロナ対策の予算のほとんどは、老人に使われた。」と言われりゃ、「なるほど・・・」の世界。目新しい内容ではなく、2013年から2020年にかけて掲載された彼のインタビューや評論等をまとめた本でした。
「はじめに」に書かれた「日本の読者へ ― 同盟は不可欠でも、米国の危うさに注意せよ」にはドキッとさせられましたが、それ以外にも目次を読むだけでも楽しめますよ。
日本の問題は少子高齢化、移民の受け入れがその解決策という持論は変わっていませんね。
何度も焼き直してる発言が多いのも事実ですが、氏の発想はなかなか見事。
欧米を中心に見られる絶対的核家族。フランスなどの平等的核家族、ドイツ、日本、韓国に見られる直系家族。中国ロシアの共同体家族に分け、その中一番古いのが絶対的核家族。一番新しいのが、中国などの共同体家族。と言語学の発想から、家族構成の成立の歴史を語るところは興味深いものがありました。
磯田氏との対談、直系家族のメリット、デメリット、薩摩などの破壊者としての南西日本の家族構成のあたりも楽しく読め、面白い視座を与えくれます。
『老人支配国家 日本の危機』
エマニュエル・トッド 文芸春秋社
1951年生まれ。フランスの人口統計学者、歴史学者、人類学者。
フランスの国立人口学研究所に所属していたが、2017年に定年退職。
1976年の最初の著作『最後の転落』でソビエト連邦崩壊を予想。2002年の『帝国以後』は世界的なベストセラー。