かなぶんの・・・「宝塚って、奥が深い」 

終演。あ~楽しかった。キラキラだった。
ジェンヌさんたちの全身全霊の姿に元気をもらい、さあ、明日から私も頑張ろうという気持ちになって劇場を後にする。

何がすごいって、入団したての一番後ろのハジッコの子が一点の曇りもなく魂を込めて全力で踊り歌っている姿。約80人のメンバーが一つの作品を作るという目標に向かう純粋さとエネルギーのすごさ。劇場全体を包むその陽のオーラに自分も満たされる幸せなひと時。

タカラジェンヌは清く正しく美しい、夢を与えるフェアリーと称される。が、それはすさまじいたゆまぬ努力と研鑽とストイックな自己管理の上に成り立っている。一番若いと中学卒業時点で親元を離れ、この競争社会に身を投じる。2年間の厳しい音楽学校での学びのあと、毎年約40人が入団。その後全力で立ち向かい続けるその40人がどんどん抜けて少なくなって行く。その中からトップスターが出るまでだいたい10年と少し。1人も出ないこともある。そしてそのころにはこの同期が10人以下になっていることが多い。こうして頑張り続けて残ったジェンヌさんたちの、研ぎ澄まされたパフォーマンスは本当にすごい。

一緒に舞台に立つ約80人の構成は、上の方はこうして残って来た先輩たち。一番下は、入りたてのぴよぴよの新人たち。人数はほぼピラミッド型。新人たちは研ぎ澄まされた先輩を見て憧れ、学び、先輩たちはそんな新人たちに触発されて、さらに己を磨き続ける。すごい。ほんとにすごいんです。その挑み続ける姿が。

長く見ていると、残り続けているジェンヌさんは実力が確実に上がっていくのがわかる。自分の持ち味と理想に悩みながら自分を生かす方法を探し続け、理想に1ミリでも近づこうと研究を続ける。その成果が観ていてわかるともうホントに心から応援したくなる。

以上、「こんな背景を知ってから宝塚歌劇の舞台を観てみると、より楽しめるよ。」という解説でした。

ぜひ後ろのハジッコのぴよぴよちゃんを観てあげよう。
全員娘(孫?)に見えてくる。あ、あの子いいなあ思ったら名前をチェック。次作の公演でまた確認してみよう。続けて観ていると公演ごとに少しづつ立ち位置が前になってくる。たまには抜擢されて突然いい役をもらったりする。この子がトップスターになるまで元気で劇場に通いたい!健康で長生きしなければ!
もちろん研鑽に研鑽を積んでゴールに到達した真ん中のトップスターさんをひたすら愛でて、ああ美しい。かっこいい。すてき。と、幸せな気分に浸る。というのも正しい観賞の方法。

最後に。宝塚は決して敷居の高い遊びではないことをお伝えして終わりたい。
帝国劇場などで行われるミュージカル公演のチケットはS席で14,000前後、一番下の席でも7,000円前後することが多い。その点宝塚は、創始者小林一三が宝塚歌劇は大衆のためのもの、家族で楽しめるものとしたところから、今でもチケット料金の刻みが細かく、2階の一番後ろは2,500円、一番高くてSS席の12,500円と、他のミュージカル興行には類を見ないお財布にやさしい設定になっている。また、コロナ禍のプラス効果で最近は公演の千秋楽が生配信されるようになった。
なんと3,500円で、家族みんなでお手軽に、おうちで宝塚体験も可能。

約80人を1組とする5組、花組、月組、雪組、星組、宙組がいつもどこかで何かをやっている。
さあ、食わず嫌いはやめて、ぜひ一度ご覧になってみることをお勧めする。
あなたの人生にちょっと彩が足されること間違いなし。

かなぶん

かなぶん

人生は楽しい。仕事も趣味もいい案配に全力集中。目標は元気でご機嫌なおばあちゃんになること。観劇は明日への活力、心の栄養。
「私、ミーハーなの・・」と自称しながら、ミュージカル、宝塚、歌舞伎など舞台芸術を観る目は独断と偏見と愛に満ち溢れ、人生を彩る。
とりあえず、舞台芸術食べず嫌いの皆様へこの喜びを伝えたい。