世の中、喜怒哀楽であふれてる!

仕事や子育てに一段落。でも、人生をリタイヤしたわけじゃないですよね。イマドキ、花の命は結構長いんです。還暦や古希になっても、それがどうした!年齢なんて単なる数字にすぎません。自分のやりたいこと、今だからできることをやりましょう。世の中には、まだまだ知らないことや面白いこと、刺激を受けることがいっぱいです。このコラムでは、私が日々感じたこと、出会った方々のことを綴っていきます。皆さまの元気に繋がることを願いつつ…。

第1回目は、私の「若きライバル」畠山亮夏(はたけやま りょうか)さん22歳を紹介します。

「動けないけど社長。話せないけど大学講師」って!

私は広告やイベントの仕事を生業としています。その中で出会ったのが畠山亮夏さん。彼は重度脳性麻痺で体を自由に動かすことができませんし、しゃべるのも一苦労。でも、それを個性として価値に変え、一般社団法人HI FIVEの代表として様々な活動をしています。

亮夏さんは、友達が欲しくて支援学校から一般高校に進学したものの、コミュニケーションが全くとれずにクラスでは独りぼっち。しかも、就職や大学進学の時期になるとさらに孤独に。

「ワガママかもしれないけど、人や社会と関わって仕事がしたいと強く思いました。だって、仕事は生きて、食べていくために一生続ける大切なものでしょ。僕は皆と同じように、人と交わって、一生懸命に働いて、社会に貢献したいと思っているんです。でも、その夢は誰の耳にも届かない。だから、僕だからこそできるカタチは何だろうと考え、母と二人で試行錯誤の上生まれたのが「イキプロ。=生きる教科書プロジェクト」でした」。

亮夏さんは「生きることは働くこと。だから、「違う」を「価値」に変えてみてん!」と言い切ります。
彼と母の織恵さんが取り組んだ仕事とは、障がい者である彼の体を「教科書」にして、医療・福祉を学ぶ学生たちの実習講師(2018年より短期大学の介護福祉学科非常勤講師として従事)や、企業研修、教育機関研修など多岐にわたります。

差別や他者との違いに傷つき苦しんだこともあったでしょう、でも彼は「みんな多かれ少なかれそうなんちゃうの?」と笑い、「これができたら、スゴいよね、僕もみんなもウレシイよね」というチャレンジを続けます。ボーダレスなコミュニケーションが当たり前の社会を実現するために、自らの「違う」を使って仕事を続ける親子の姿に「やられたぁ~!!」と思いました。

今、戦火の中で教育を願う子供たち、女性の権利を守るために闘う女性たち、障がいを持ちながらも前向きに生きる若者たち、世界にも日本にも沢山いらっしゃいますよね。ニュースとしての認識しかなかった私は、亮夏さんと出会って「私は色んな不平不満をたれ流して、壁だと思ったら諦めているけど、その壁は自分にとって本当に壁なんだろうか」と考えることができました。

年はとったが五体満足、少し頭は固くなったが好奇心は健在、経験値もある、そんな私が亮夏さんに負けるわけにはいかないのです。勇気とやる気さえあれば、年齢に関係なくチャレンジはできる!そう思わせてくれた存在が畠山亮夏さん。だから、彼は私の永遠のライバルなんです。

2021年も亮夏Challengeは続く!

コロナ禍で社会の様子が一変し、大学の授業もオンライン、企業でのリアルな研修もできなくなっています。亮夏さんは『「話せないけど大学講師」の仕事をこれからも続けていきたければ “自分の言葉” で話してください』と大学から通達されました。
織恵さんを介しての伝達ではなく、どんな方法でも良いから自ら発信して欲しい、というのが大学の要望です。

彼はこれをチャンスと捉えました。「大学で学生たちと関わる仕事が好きで、どうしても続けたい。だったら新たなチャレンジで自分を進化させてやる!」と。
今まで、筋緊張と付随運動(勝手に手足が動く)が強すぎるため、意思伝達装置などのコミュニケーション支援機器は全く使えなかったのですが、彼は緊張を落とすためのポンプを体に埋め込む手術をすると決めました。手術後、意思伝達装置などの支援機器を使って言葉や会話を習得、人と会話ができるようにし、一人で授業をすることをゴールと設定。題して「イキプロ。2.0 #大学講師にオレはなる!」を始動させたのです。

今後、様々な協力者も必要でしょうし、クラウドファンディングも視野に入れているそうです。亮夏さんの心と体にとって、長く、過酷な道のりになりそうですが、「自分を諦めたくない」という思いが彼を突き動かしています。
亮夏さんの近況を伺って、自分自身の熱さと勇気が再燃しました。何度でも何度でも、人に笑われても上手くいくまでやりますよ!!!「諦め」なんて「モッタイナイ」ことはできませんよ。私の大切な人生なんだから。

自ら痛みや辛さを背負い込んで追いかける亮夏さんの夢や願いはワガママなことしょうか?彼だけではなく、前を向いて自らの人生を切り拓こうとする若者は日本にも沢山います。全ての人が満足し、全部上手くいく世の中なんて現実的ではないけれど、せめて、若い彼らが生きづらい世の中であってはいけない。大人として、今何ができるのだろうと、考え続けています。

畠山亮夏さんについてはコチラ
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のんちゃん

のんちゃん

広告代理店を経て、代理店時代の仲間と広告・イベント・販促の企画と制作会社を立ち上げ、日々動き回るアラ60女子。
元気の素は「できるかできないかじゃなくて、ヤルか、ヤラないかだ!」。