香港で暮らし始めて8か月。日々の移動のなかで感じるのは、この街の“スピード”と、そこに息づく“やさしさ”です。今回は、そんな香港の交通事情をご紹介します。
香港人は時間をお金で買う?
香港で生活して、もう8か月になりますが、日常的に違いを感じる場面の一つが、MTR(地下鉄)のエスカレーターの速さです。初めて利用したときは想像以上に速くて、身体が前に引き出されるような感覚に少し驚きました。周りの人はその流れにすっかり慣れていて、自然に乗り降りしています。人が右側に立つのは大阪式??
信号機の時間も短くて、歩いている途中ですぐ点滅してしまうのも印象的でした。
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エスカレーターの速さや信号機の時間が短いことなど、スピード感の違いについて香港在住の友人に話したところ、「香港人は時間をお金で買うからね」「ちょっとせっかちかもね」と言われて、なんだか納得してしまいました。そんな日常の中からも、街全体のスピード感を感じることがあります。

MTRって何?地下鉄?
私はMTRを一番よく利用します。本当に便利で毎日の生活に欠かせません。列車の本数がとても多く、待ち時間はほとんどありません。路線も色分けがはっきりしていてシンプルで、駅の案内も英語・中国語両方あり、日本みたいな複雑な乗り換えがなく、分かりやすいのがとても嬉しいです。
ホームドアが完全整備されているので安全面でも安心感がありますし、車内は飲食禁止のためとても清潔に保たれています。一方、携帯電話については、車内で普通に通話している人も多く、その自由な雰囲気に、最初は少し驚きました。
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MTRは1979年に開業し、もともとは都市内の移動を支えるインフラとして発展。返還後は空港や中国本土との接続も強化され、かつて香港の九龍と中国大陸の広州を結んでいた鉄道路線のKCR(九広鉄路、Kowloon-Canton Railway)との合併、ディズニー線の開業等で一気に広いエリアをつなぐ交通ネットワークが広がったそうです。
効率よく、人々を止めずに流していく、そんな香港らしさがここでも感じられます。


オクトパス?たこ?
香港ではオクトパスカードというICカードが広く使われています。電車だけでなく、バスやトラム、フェリー、そしてコンビニやカフェでも使えるので、とても便利です。
オクトパスとは「タコ」という意味で、8本の足のようにいろいろな場面で使えることから名付けられたと聞いて、思わず納得しました。
高齢者には運賃の優遇制度もあり、気軽に移動できるのも特徴です。香港🆔のある高齢者は、2ドル〔40円〕で、どこでも行けるんですよ。私は長寿オクトパスなので、半額。
日本にも高齢者向け交通制度はありますが、香港の手軽さには驚かされます。

移動は楽し!
写真はトラムとフェリー乗り場です。トラムは写真でもわかるように路面電車です。日本でも都内だと荒川線とか、北海道や広島県、愛媛県や熊本県などにありますね。
香港らしいなと感じるのは、こうした交通手段の多さです。
フェリーから見た香港の街の写真、いいでしょ。フェリーで海風を感じながら移動する時間はとても気持ちよく、ちょっとしたリフレッシュにもなります。乗り物に乗っていると、子ども連れの私や高齢の母に席を譲ってくれる場面も何度かあり、香港の人の優しさを感じます。
トラムや二階建てバスも街の風景に溶け込んでいて、移動そのものが小さな観光のように感じられます。


香港の交通がもつこの街らしさ
日本は鉄道会社や私鉄が多く、鉄道同士がネットワークのように都市をカバーしている印象です。一方、香港はMTRを中心に、バスやトラム、フェリーが補完する形で成り立っています。その分シンプルで分かりやすいですが、駅構内が広く、かなり歩かなければならないこともあります。
香港の交通やスピード感にも少しずつ慣れていく一方で、それぞれの都市が大切にしているものの違いが、日々の移動の中に自然と表れているのだなと感じています。
忙しさの中にも人のやさしさが感じられる香港の交通。
それは単なる移動手段ではなく、この街の価値観そのものを映しているように思います。